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| 第2回 MUJI.net 株式会社良品計画 |
| 2004.7.23 |
| <MUJI.net 株式会社良品計画> http://www.muji.net/ ■2003年11月開始からわずかでユーザーから絶大な支持を得た「携帯版ネットストア」
「無印良品」のインターネットへの進出は、ウェブサイト「MUJI.net」を2000年9月に開始、携帯サイトを2003年11月に開設した。携帯サイトは2004年6月末現在、iモードの「ショッピング/チケット」-「くらし」カテゴリで4位と、ユーザーから大きな支持を得ている。 今回は「MUJI.net」の現状、ウェブサイトと携帯サイトの違いや今後の方向性などを、良品計画商品本部、e-マーケティング担当課長の成松宏晃氏にうかがった。 ■ ウェブサイト「MUJI.net」は2000年9月に開始 「無印良品」は、2000年9月にウェブサイト「MUJI.net」をスタートした。 「MUJI.net」は、4大コンテンツで構成されている。ユーザーの声を吸い上げる場「ネットコミュニティー」、店舗のお知らせを提供する「店舗情報」、良品計画の「企業情報」、そしてショッピングサイト「ネットストア」だ。「ネットストア」は、衣料品や家具、キッチン用品から家電に至るまで、店舗にあるほとんどの商品をインターネットで購入できる。支払い手段はクレジットカードか代金引換となっている。
ムジ・ネット株式会社では、約10名でウェブサイトと携帯サイト両方のページ制作を担当している。コンテンツの更新は基本的に木曜日。これは店舗での商品入荷タイミングが木曜になるため、必然的に情報の更新も木曜日になるからだ。 ■ 「ネットストア」の売れ筋は配送を伴うベッドやソファ 男女比は3:7で女性が多い ショッピングサイト「ネットストア」を詳しく見ていこう。 「ネットストア」には会員制度「MUJI.netメンバー」がある。メンバーIDはウェブサイトと携帯サイトで共有できる。商品の購入については、メンバーでなくても可能だ。メンバーの特典としては、一度登録をすれば、2回目以降、商品購入時のフォームへの入力項目が少なくなることや、メールマガジン、オフプライスコーナーなどメンバー限定サービスが提供されていることが挙げられる。メンバーに配信されるメールマガジンは週1回、金曜日に発行。新商品情報、セール情報などを提供している。 「ネットストア」のメンバー数は約17万人(2004年6月現在)。売上は約16億円(2003年度)だ。そのうち携帯サイト経由でネットストアに登録した会員は3万人。また、携帯サイトの売上は公表していないが、立ち上がったばかりのため、まだ微々たるものという。 さて、店舗と「ネットストア」での、売れ筋やユーザー層にはどのような違いがあるだろうか。 「ネットストア」での売れ筋は、ベッドやソファなどユーザーが来店しても持ち帰りができない配送を伴うものである。そのため、客単価は店舗(1,985円。2004年2月期)に比べて「ネットストア」の方が10倍くらいは高いという。配送が必要な大きな商品については、店舗と「ネットストア」共通の在庫センターがあり、商品はそこから配送される。衣料品など、店舗では配送の必要がないものについては、「ネットストア」だけの在庫センターを用意し、そこに備蓄されている。
次にユーザー層を見てみよう。店舗のユーザー層は、20代後半の女性の比率が高いのだが、「ネットストア」では、店舗より主婦と男性の割合が若干高いという。男女比は、店舗では2(男):8(女)だが、「ネットストア」は3(男):7(女)である。 ■ ユーザーの視点に立ったウェブサイトリニューアルで大幅にメンバーを獲得 2003年9月、ウェブサイトをリニューアルした。ユーザーの使い勝手を向上させるのが目的だ。 大きな改善点は3つ。まず1つめは商品カテゴリの見直し。例えばカテゴリ名「ファニチャー」。店舗であれば、「ファニチャー」の看板の下にソファがあれば、ユーザーは家具のことだと理解できるが、ウェブサイトでは一度に伝達できる情報に限りがあるため、わかりづらい。そこで必ずしも店舗と同じ言葉遣いをするのでなく、ウェブサイトからアクセスするユーザーの立場になって、分かりやすく、生活のシーンを想起させる言葉に置き換えたりするなど、カテゴリ名、カテゴリの区分などを見直した。 2つめは階層の見直し。これまでは多いときで6〜7回程度クリックしなければ、商品詳細ページまでたどりつけなかった。これを3〜4クリックで目的の商品に到達できるようサイトの構成の見直しを図った。 そして3つめはデザイン。フレームを削除し、商品写真をより良くみせるよう、ビジュアル面を強く意識した。 リニューアルの結果、これまで1人あたりのページビュー数が、平均6〜7だったのに対し、現在では17近くまで上昇しているという。階層を浅くしたにもかかわらず、1人あたりのページビュー数が増えたということは、リニューアルによって、今まで以上にユーザーがサイト内を回遊するようになったといえる。来訪者も約1.5倍に増えたそうだ。 今回のリニューアルでは、システムの都合上、既存メンバーも再度メンバー登録をしなくてはならなかった。ユーザーにとって再登録するに値するリニューアルでなければ、既存メンバーも失いかねない状況だったが、リニューアルは成功した。立ち上げから3年かかって獲得したメンバー数約13万人を、リニューアル半年で超え、今や17万人に達しているのだ。 ■ 2004年2月にiモード公式サイト入り ドコモ担当者も驚くアクセス数 次に携帯サイトを紹介しよう。 携帯サイトのリリースは2003年11月。ウェブサイトと同様のサービス提供を目指し、立ち上がった。現在のコンテンツは「ネットストア」と「店舗情報」、「ネットコミュニティー」である。「ネットストア」の品揃えはウェブサイトと全く同じである。メンバーIDは携帯サイト、ウェブサイト共通に使え、カタログに記載されている注文番号を入力することで商品を購入できる「ダイレクトオーダー」にも対応している。 2004年2月の上旬には、iモードの公式サイト入りを果たした。カテゴリの順位は、そのサイトのアクセス数によって決められるのだが、「MUJI.net」はいきなり3位にランクされた。新着サイトがカテゴリ3位にランクされたことに、ドコモ担当者も驚いたという。auについても、6月に公式サイトになった。 ■ ユーザーは携帯電話を「発注端末」として利用 サイト立ち上げから現在までのユーザーの購買動向を調べてみると、携帯サイトでもウェブサイトと同様に、ベッドやソファなど配送を伴う大きな商品がよく売れていることが分かった。 また、携帯サイトの利用方法として特徴的なのは、ユーザーは端末で商品を探して購入するというよりも、カタログを見て、注文番号を入力して商品を購入する「ダイレクトオーダー」の場合が多いのだという。携帯電話は、「商品発注端末」として利用されているのだ。 ■ 2回のキャンペーンを通じて携帯サイトならではの難しさを経験 携帯サイトからメンバーを獲得するために、販促キャンペーンも積極的に行った。 2004年2月には、「5%OFFキャンペーン」を実施した。これは期間中に登録したメンバーが携帯から5%OFFのクーポンをダウンロードできるようにし、店舗でクーポン画面を表示することで割引が適用されるというキャンペーン。 このキャンペーンで、携帯サイトから1万人近くのメンバーを獲得した。引き続き同年4月に行った同キャンペーンでは、前回の倍近いメンバーを獲得することに成功した。 わずか2カ月後に行った2度目のキャンペーンにこれほどの反応があったのには理由がある。初回キャンペーンでは、初めてだったこともあり、ウェブサイトのメンバー登録フォームをそのまま流用したので入力項目が多かったが、2回目には仕組みを簡略化したからだ。 一般的に携帯電話を使った販促キャンペーンなどでは、ユーザーに空メールを送ってもらい、返信時に記載したURLをクリックさせ登録ページへ誘導、そして若干の入力作業で登録完了となる。ユーザーの文字入力をできる限り少なくするために採られる方法だ。 しかし、最初のキャンペーンではウェブサイトのメンバー登録手順をそのまま流用したことで、ユーザーは住所や電話番号、IDやパスワードの入力と、こと細かに入力しなくてはならず、このことが登録数の伸びを妨げていたのだ。そこで4月のキャンペーンでは、メンバー登録の仕組みを簡略化し、空メールを使った方法に変更した。すると前回の倍近くの登録者を獲得できたというわけだ。 この2回のキャンペーンを通じて成松氏は、携帯サイトでは特に簡単なアクセスの方法がなければユーザーには受け入れられないことを痛感したという。また端末自体に文字数の制限など制約が多いことも発見した。ウェブサイトの仕組みをそのまま携帯サイトに流用するだけではうまくいかないことが多いのだ。 ■ 携帯サイトは店舗とネットをつなぐツールとしての位置付け さて、立ち上げ以来、着実に会員数を増やしている携帯サイトだが、目指すところは携帯サイトからの売上向上ではない。携帯サイトの役割はクリック&モルタル、店舗とネットをつなぐ手段だと、成松氏は強調した。「無印良品」にとって携帯サイトとは、ユーザーを店舗に誘導するためのツールとしての位置付けなのである。 携帯サイトが各キャリアの「ショッピング」カテゴリで上位にいることに満足して本当に良いのか、成松氏は少し疑問に思っているという。というのは、ユーザーには実際に店舗で「無印良品」の商品コンセプトに共感してもらうことが一番であり、画面が小さく十分に商品コンセプトを伝えることができない携帯サイトでのショッピングでは不十分と考えるからだ。 一方でウェブサイトは携帯サイトと違って、ビジュアル表現を駆使して、「無印良品」の商品コンセプトを伝えることができる。ウェブサイトはバーチャル店舗として、ユーザーにも認知されている。実際に夜の10〜11時が一番売上が高いことからも分かるように、店舗が開いていない時間帯を補完する役割を見事に果たしているのだ。 さて、今後の携帯サイトの取り組みについて、どのような方向に向かっていくだろうか。成松氏は予定しているいくつかの試みを語ってくれた。 ■ 利用店舗を登録してもらい、エリア毎の情報を配信 まず、トライアルの準備をしているのが、店長におすすめ情報を書いてもらうというもの。店長からの情報によって、店の個性を表現することが狙いだという。また、そのメールを送る曜日を工夫したり、「雨の日だけのプレゼント」のような情報を提供することも検討している。 店舗とメンバーの紐付けのために、ユーザーに日頃よく利用する店舗の登録をしてもらう予定だ。そのために、メール配信のみの「メール会員」を設定し、会員登録時には、メールアドレスと、よく利用する店舗を選択してもらうようにする。現在は、配信するメールは全国共通だが、今後は全国共通メールに加え、エリア毎に情報の異なるメールも配信していくという。 ■ 効果的なメール告知でユーザーを囲い込む 成松氏は、携帯のメール告知を効果的に行うことで、ユーザーに積極的に働きかけていくことを考えている。一度購入しただけでその後「無印良品」を利用されなくなったユーザーと、逆に購入頻度の高いユーザーに効果があるとみている。 新生活スタート時に一度に10万円程度のまとめ買いをしたが、それ以降ほとんど来店しなくなったようなユーザーのリピートを促すよう、効果的にメールでの告知を行っていきたいという。クーポンの提供や限定プレゼントを実施するなど、ユーザーにメリットがある情報を提供するのだ。 そして、「無印良品」での購入頻度の高いユーザーに対しては、さらに「無印良品」のファンになってもらえるような、ポイント制度、配送料無料、限定商品以外の方策を検討するつもりだ。 これらは一例にすぎないが、「ネットストア」では、携帯サイトをクリック&モルタルのツールと明確に位置づけ、これからもユーザーと店舗をつなぐトライアル・サービスを数店舗規模で実施していくという。 「無印良品」にとって、携帯サイトの役割はクリック&モルタルのツール。ウェブサイトとの役割分担を明確化し、今後はトライアルを行っていたサービスのいくつかが実際に世に出ることになるだろう。これからの「ネットストア」の展開に目が離せない。 |