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イプシ・マーケティング研究所
<コラム&レポート> -コラム-

e-ショッピングの魅力
株式会社情報通信総合研究所 常務取締役
イプシ・マーケティング研究所アドバイザー
小澤 隆弘
小澤 隆弘
<プロフィール>
 IT革命の失速が言われるこのごろだがよく考えてみればIT革命がそんなに簡単に実現すると考えてきたほうが間違いだったのではないかという気がする。 IT革命の進み具合は分野によってまちまちだが今回はe-ショッピングについて考えてみたい。

 ネットで買い物をするというe-ショッピングは既存の流通チャネルを中抜きして消費者の購買行動を大きく変えるだろうと言われてきた。私自身はその考えに懐疑的であったが、かといってe-ショッピングに未来がないと思っているわけでもない。

 その売上は伸びているとは言っても小売市場に占める割合はまだわずかなものだし、今後急速にシェアを高めるという展望も見えていない。その原因はe-ショッピングというシステムが未成熟であることにあると思う。e-ショッピングは万能でもないしリアルの商業に比べて圧倒的な優位を持っているわけでもない。むしろ、現状ではリアルな世界に劣る点が多いように思う−楽しさにおいても、便利さにおいても。

 e−ショッピングは時間と距離の克服、費用の節約という点でリアルのショッピングに比べて優位性を持っている。機能面においても商品選択の幅の広さ、容易性などにおいてリアルのショッピングをしのぐ面がある。

 ユーザの多くがe-ショッピング利用の動機として利便性をあげるのはこのためである。しかし、利便性だけでは大きな市場を獲得することはできない。

 利便性は必ずしもショッピングの本質ではないからだ。そこにはときめきがない。ショッピングには大きく言って二つの要素がある。生活必需的なもの、いわゆるコモディティ的なものは安くて便利に買えることが消費者のニーズである。一方、選択的なもの、奢侈的なもの、自分の個性的な欲求を満たすものは安く簡単に買えることよりも自分が本当に欲しいものを探し、見つけ出し、手に入れることが楽しみなのだ。そのプロセスが大事なのである。

 残念ながら今のe-ショッピングにはその要素が不足している。楽しめるe-ショッピングを創造しなければならない。

 そのためには商品そのものの魅力はもちろんだが、商品探索それ自体が楽しめなければならない。それには探索者の意図を的確に理解して即座に反応してくれる探索システムが必要である。しかも面倒な手続きを省いてなおかつワクワクさせてくれる仕掛けが欲しい。ゲーム感覚的な作りこみが必要である。

 e-ショッピングにおいては今のところ視覚と聴覚しか使えない。それをうまく使って消費者の感性に訴えなければならない。もちろん、e-ショッピングに適した商品と適さない商品がある。それをきちんと見極めた上でリアルの世界では実現が難しい魅力、価値を消費者に提供しなければならない。

 技術的にはCGを用いたシミュレーションが核になると思うがそれをどう使うかが鍵である。ブロードバンドは多彩な情報提供を可能にしてくれる。その可能性をどう生かすかがe-ショッピングの未来を左右するだろう。

 インターネット・マーケティングの奥は深い。ネット市場へのパイロット、ナビゲーターである「イプシ・マーケティング研究所」の眼と頭脳に要注目。

2001/11/19

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